センチメンタル・ジャーニー sentimental journey
逃げ去る星は
ゆっくり夜空をのぼる
重なる雲は
朝を吐き出している
完全なわたしは
よく冷えた単2を口に
含んで あたたかい
愛を取り戻していた
もうやめた
ひとりで負けるのは
折れ曲がった
海岸線のように
身軽な旅の
終わりにナイフを入れた
レモンの形が
掌に焼きつけられた
わたしの体温が
ゆっくり階段をのぼる
橋の向こうでは
宇宙が手を振っている
もうやめた
ひとりで去るのは
くだけ散った
氷のかけらのように