人々の傘 people’s umbrellas
人々の傘が 売り払われて
規格外の箱に 詰め込まれる
棚を埋め尽くすのは 荒野の瓦礫
棚に並べられるのは 取り上げられた果実
引き裂かれた夕餉が 毛布にくるまって
座り込む場所もなく 蒸発する
家や国の上にある 数字の束は
うどんのように伸ばされて ルーターにつながれる
泥まみれの親の子が円陣を組んで
午前2時のヘリよりも 高く飛び上がる
酒に浮かぶ虫よりも ささやかな声で
沖を走るサメよりも 赤い血の色で
深煎りの悲しみが 飲み尽くされて
アルカリの地層で リツイートされる
敵の居ない悪人は 他人の家で
散らばったクミンシードを かきあつめる
度し難い寒さに 背を丸め
長い睫毛のマネキンが ブルースを歌う
忘れられた姓よりも 背を丸め
ふやけた断面の ニンニクが歌う
人々の親の子が 毛布にくるまって
長い睫毛の地層に 詰め込まれる
敵の居ない虫よりも 高く飛び上がる
棚に並べられるのは ブルースの瓦礫
引き裂かれた傘が 円陣を組んで
午前2時の箱で ブルースを歌う
家や国の上にある ささやかな声で
散らばった断面の ルーターにつながれる
深煎りの寒さが 売り払われて
座り込むマネキンや ニンニクが歌う
酒に浮かぶ悪人は 蒸発する
うどんのように伸ばされて リツイートされる
沖を走る夕餉が 背を丸め
忘れられた姓よりも 背を丸め
ふやけたサメよりも 背を丸め
棚を埋め尽くすのは 赤い血の果実
人々の傘が 売り払われて
規格外の箱に 詰め込まれる
忘れられた悪人は 背を丸め
散らばった傘が ブルースにつながれる