皆が呼んでいる

雨が通り過ぎた庭で
踊り子が手を振っている


今夜の支度がもう終わる
耳に忍び込む音楽


花火の匂いが漂い
わたしの心は高鳴る


割れた果実からこぼれ落ち
夜の底を歩くわたしを
呼んでる皆


新しい家を
岸辺に建てて
いつまでもここで
暮らしたい


人々の声の向こう
生い茂る草の向こう


大きな湖に浮かぶ
舟の底に眠るわたしを
呼んでる皆