愛の沈黙 silence of love


わたしの心の
床に積もった
埃の中から
わたしによく似た
沈黙が生まれた


その沈黙には
まだ名前はなく
地獄の手前で
どこまでも白い
無難さを見つめた


新しい言葉を覚えたので
もう何も話す必要はない


この日溜まりから
ついに押し出され
鏡の町へと
ありふれた愛の
当事者を騙った


本物の名前を貰ったので
もう今は名乗る必要はない