王様と私(魚類の薔薇リーディング公演挿入歌)

  • 作詞:高柳あゆ子
  • 作曲:澁谷浩次


沈む 駅のホーム
よれよれの波を泳ぐ
すれちがう
あれは 金色の冠


跳ねる チョークの粉
聞こえない 私の声
戸の陰に
ひるがえる 真紅のマント


顔は見えない
白くなって重なる
糸は順に切られる
それでも 王様は歌う


青い縞のズボン
いつも洗ってくれて
ありがとう
偽物だけど エメラルドを


城を囲む高い壁
誰も入ってこないように
ひとつだけ
猫のための秘密の扉


ごはんは食べたくない
いちごは残しておいて
もう何もいらない
もう少し頂戴 踊り続けるから