2004-05-28 反響 echo 話し声のする朝に 背を向けて身を屈めた 病院の帰りに見た 動物の目の湖 反響する街の声 繰り下がる約束を捨て 道の眩しさに怯える 黒い束になった人々 釣り針のうかぶ運河で一人 石を食べている夕方 隙を突いて垂れ下がる アシナガグモを抱き締めて 橋から落ちた静けさが 苦しむ猫を見ている あの草むらの斜面を滑る 光のような心 離れないでと 切り取られてしまった車の形